ポメラにもの申す

2008 BLOG

このところブログの更新頻度があがっているのは、ごらんの通りですが(笑)、理由の半分はポメラに帰着できます。ちょっとした待ち時間に文章を書いて、すぐにコンピュータに取り込める。ホントに快適! 通勤時間も執筆時間に早変わりです。

さまざまなところでポメラに対する賞賛の声が挙がっていますが、ここではあえて、ポメラのダメなところをあげてみようと思います。なるべく建設的に。


“KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM10オレ トワイライトオレンジ” (キングジム)

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1.インタフェースの設計

UIの設計で??なところが散見されます。たとえば、編集したファイルを閉じようとするときに、「編集中のファイルを保存しますか」と聞いてくるのは当然として、デフォルトでNOが選択されているのはまずすぎでしょ。急いでそのままリターンするとファイルが消えてしまう…という痛い結果に。

ほかにもユーザ辞書の単語登録で、複数の単語を続けて登録したいのに、一つの単語の登録が終わるごとに登録画面が閉じてしまうなど。こちらは、前のものほどクリティカルではないのでしょうが、やっぱり不便です。

WindowsのダメダメなUIを風刺したNYタイムスのDavid Pogueのプレゼンでも見て、ぜひとも修正を! (Windowsと比較するのは失礼かも… ごめんなさい)

2 ファイルをフォルダで管理ができない

ファイルが貯まってくると管理が大変。

3 ファイルをまたいでの検索ができない

ポメラの想定されていた用途(会議の議事録などを取る電子メモ帳)から来る制限でしょうか。

僕の使い方はどちらかというとスケッチ帳のような感じ。日々の生活のなかで思いついたちょっとしたアイデアを数行程度書いたファイルがたくさん貯まっています。こうしてファイルが貯まっていくと、どこに何を書いたかわからなくなるだけでなく、テーマ間の隠れたリンクを見落としてしまう危険性があります。

僕自身は、ポメラは「アイデアを発酵、そして定着させるツール」としてとらえてます。どんどんつっこんでいったアイデア同士の化学反応で新しいアイデアに思いつく、思いついたアイデアはその場で文章としてまとめてしまう。一連の流れがスムーズに、しかも場所を選ばずできるというのが大きな魅力です。

貯まったアイデアの断片同士の、隠れたリンクをどうやって顕在化させるのか。また埋もれてしまったファイルをどうやって掘り起こすのか。

今はファイル数もたかがしれているので、そんなに問題にはならないのかもしれません。ですが、ポメラのmicroSDの中に数ギガバイト分のテキストファイルが貯まった状態のことを考えてみてください。自分のアイデア宝の山から、金脈を掘り当てるための工具、もとい「考具」が必要だとは思いませんか。

そう考えると、「マルチファイル検索」ーファイルをまたいでの検索は必須です。フォルダ内検索の機能もあるとなお良いでしょう!

もっとシンプルな機能でも絶大な効果を実現することができるかもしれません。たとえば、ランダムなファイルのランダムな箇所を開いて表示する機能なんてのはどうでしょう?

「偶有性」を担保するための機能をどう実装するか。「考具」としての、ポメラの進化の鍵はこの辺にあるのではいでしょうか。

(ちなみに今はどうしてるかというと、SubversionでMac上に同期したファイルをSpotlightで検索することで、トピックを抜き出してます。Macの上でしかできないのが不便)

考具という言葉はこの本から。

“考具―考えるための道具、持っていますか?” (加藤 昌治)

4 undoが一回しか使えない

説明は不要かと…

5 全体を俯瞰するのが困難

同じテキストエディタでもポメラとPCでは、文章を書いている感覚が多少異なるような気がします。その大きな要因となるのが、ポメラでは全体を俯瞰するのがむずかしいという点です。長文を書いていると、どこで何を書いたのか、直感的に捉えることが難しくなってきます。

スクリーンがちいさいが故に起こる問題で、どうしようもないようにも思えますが、ちょっとした機能を追加することで使い勝手と改善することは可能です。

たとえば。。。 ポメラには付箋文という機能があります。特定の文字列を「付箋」として文中に挿入することで、文の区切りとし、付箋間の移動を容易にするというものです。

そこで、たとえば、付箋文の直後の一文のみをリストとして表示する機能を作ってはいかがでしょう。一文だけで、その文のまとまりを代表させるのは乱暴かもしれませんが、それでもどんなことを書いたのかを直感的に概観する一助になります。さらに、カーソル操作で表示されている付箋間を簡単に移動できるようになると、なお便利ですね。

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と、好き勝手書いてみましたが、あくまでもポメラが好きだからこその苦言だということをご了承ください。この記事がポメラの開発の方の目に留まるといいなぁ。ファームウェアの更新に期待しています!