「いつか音楽と呼ばれるもの」が本になりました
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ブログの更新が滞ってます。iPhoneアプリのリリースもストップしてます。このところ動きがほとんどなかったように見えますが、その間、何をしていたかというと….
本を書いていました。
“iPhone×Music – iPhoneが予言する「いつか音楽と呼ばれるもの」”
(徳井 直生, 永野 哲久, 金子 智太郎)
共著者の永野哲久さん、金子智太郎さんとともに議論に議論を重ねて仕上げた一冊です。(iChat上での議論だけでも、のべ数百時間にのぼるのではないでしょうか)僕にとってもはじめて本になります!
「iPhone×Music」という表題と説明(「100を超えるiPhone音楽アプリをレビュー!」)だけをみると、iPhoneの本のように受け取られるかもしれませんが、ごめんなさい、違います。iPhoneの本ではありません。
iPhoneはあくまでダシです。「iPhoneというレンズを通してみる音楽の未来」が本のテーマです。
「いつか音楽と呼ばれるもの」で城一裕さんも交えてさんざん語ってきた内容、そしてこのブログでつらつらと書いてきたことが、この本のベースになっています。僕にとっては、ここ数年間の作品の制作・研究を通して考えてきたことの成果がここに凝縮したといってもいいくらいです。悩みながら日々もがいてきた結果がこの本です。
とはいえ、今回の本のために150ちかいiPhoneアプリケーションのレビューを新しく書きました(主に永野・金子が担当)。実際には音楽カテゴリーのほとんどのアプリケーションを試しています(総数300以上!)。レビューのイメージは、永野さんのブログのRjDj/Bloomの解説のような感じです。ひとつのアプリを技術的な観点(永野)と美学的な観点(金子)の両側から深く掘り下げています。
なぜiPhoneなのか、なぜiPhoneが音楽の未来像を体言するのか。ぜて書店で手にとって読んでみてください。iPhoneの音楽アプリで遊ぶときに、違和感 -わたしたちが普段、音楽と呼んでいるものとのちょっとしたズレ- を感じているあなた。そんなあなたのための本です。
この本は、特に音楽に関わるソフトウェアを書いている人とレコード会社・/レーベルの関係者の方々に読んでいただきたい一冊です。もしあなたがソフトウェア開発者なら、音楽の未来を技術面から設計するという壮大な夢を共有させてください。もしあなたがレーベル関連の方なら、自分がかかえるアーティストの楽曲に、付加価値と存在感を与えるヒントが間違いなく隠れていると思います。
蛇足ですが、最近CMなどで頻繁に見かけるauの「楽器携帯」には驚きました。あの企画を考えた方々にこの本を献本したいくらいですね。楽器に注目した着眼点は間違ってなかったのですが、実装の方法が明らかに間違っています。それは、iPhoneで人気の楽器アプリでの「演奏」が、従来的な意味での「演奏」からは遠く隔たった行為であることを、理解していないところに原因があります。
果たしてその違いとは… 続きは本で!? :-)
“iPhone×Music – iPhoneが予言する「いつか音楽と呼ばれるもの」”
(徳井 直生, 永野 哲久, 金子 智太郎)
出版するに当たって、コラムを書いていただいた、城一裕さん(ニューカッスル大)、伊藤有さん(アスキー)、インタビューに答えてくださった谷口文和さん(東京芸大)、津田大介さん(音楽ジャーナリスト)、Gunter Geigerさん(RjDjの開発者)にお礼を申し上げます。また、遅筆のわたしたちにつきあって最後の最後までお骨折りいただいた編集の小西鉄兵さんに感謝しております。ベストなタイミングでこの企画に誘っていただいたことで、数年来考えていたことを本にまとめることができました。ありがとうございました。
これでようやく「かつて音楽と呼ばれたもの」の呪縛をぬけだし、新しい世界に飛び込めそうな気がしています!
参考: 永野さんのブログでの紹介
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