App Store – 見えない言語の壁
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たまたま見かけたフランスの掲示板でのやりとり –
「World 9ってアプリを探してるんだけど見つからない」
「作者名で検索してみたら」
「9で検索するといいよ。9と1の間に変な文字(「の」のことでしょう!)が挟まってるやつみたい」
驚きました。たしかに、先日も紹介した「World 9」というiPhoneアプリは、日本では「9の1」という名前で売っています。まさか、フランスでも「9の1」になっていたとは!
慌てて調べたところ、たしかにフランスのApp Storeでも「9の1」となっています。
使い方までしっかり日本語で表示されてます。もうひとつの「モスキート」も全く同じ状況。これじゃ、だれもダウンロードしないですよね。
どうも言語の設定を失敗した模様。
各開発者は、App Storeにアプリを登録するときに「デフォルトの言語」を指定する必要があります。僕はそこで何気なく「日本語」を選んでしまいました。当初は、ユーザの言語設定にあわせて表示される言語が変化するMac OS Xの言語環境設定と同じような動作を予想していました。たとえば、フランス人の言語設定では、通常最初にフランス語、英語、ドイツ語(例えば)… と続いてずっと下位に日本語がきているはず。OS Xのアプリで英語と日本語にローカライズされたアプリを、この設定のもとで使うと、英語表示が優先され、英語でインタフェースが表示されることになります。同様にApp Storeでも、フランス語のローカライズがなければ、優先順位の高い英語で表示されるものと思っていました。
どうやら、そこが間違っていたようです。App Storeでは、その国の言語のローカライズがなければ、開発者が設定したデフォルトの言語で表示されるようになっているようです。デフォルトの言語を日本語にした場合には、ローカライズをした英語圏以外は日本語で表示されることになります。現実的には、英語を優先してくれた方がずっとありがたいのですが、言語を平等に扱うということでこのようなしようになっているのでしょうか。
仕方ないので、各国語のローカライズ情報を作って、アプリケーション名は各国語に翻訳し(モスキートはフランス版ではmoustique、イタリア語ではzanzara)、操作方法はすべて英語で書きました。イタリア語、スペイン語、ドイツ語、ケベック(Canadian French)語などなど.. 同じものを何度も書くのは本当に面倒。また、たとえば韓国やベトナムのようローカライズに対応していないApp Storeはお手上げです。デフォルトの言語 = 日本語が表示されるしかないわけです。デフォルトの言語を英語にしておくべきだったと、今更ながら後悔してます。
世界中にアプリを配布できる・販売できるというのがApp Storeの大きな魅力の一つだと思っている方は多いと思いますが、こんなところに落とし穴がありました。これからApp Storeに参加する方は、その辺りに注意する必要があります!
ちなみに…
そもそもなぜアプリの名前を変えたのか。「World 9」という名前はすぐに思いついたんですが、それを日本語にするときにあまりいい名前が浮かばなかったというのが、単純ですが主な理由です。「9の1」が、意外としっくり来たのであえて違う名前を付けました。ちなみに「くのいち」ではなく、普通に読んでください。理由は… ご想像にお任せします。
フランスといえば… 今日、仏検の合格通知が届きました! といっても、二年間近く住んでいてその程度?と言われそうなレベルですが… App Storeにも語学学習用のアプリがいくつかさっそく上がってますね。フランス語、もう少し続けてやってみようかな。
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