iPhone時代のコミュニケーション – World 9 Worldプロジェクト
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Audible Realitiesプロジェクトの一環として、リリースしている「World 9」(邦題 9の1)について、以前こんなニュースを書きました。World 9が世界各国のAppStoreで上位にランクインしているという速報です。
Our 1st Free app, World 9, appears on the rankings of free apps on many App Stores worldwide. Thanks everybody!!
Here is the highlight:
Japan 18
UnitedStates 76
UnitedKingdom 60
France 83Lebanon 14
Israel 24
Vietnam 29
Kuwait 33
Guatemala 35
Peru 45…
(この順位はUEIの清水さんに教えていただいたものです。多謝! )
まずは世界のあらゆる地域でダウンロードされているということを非常にうれしく思ったのですが、特に目をひいたのが太字で書いた二カ国です。
レバノンとイスラエル。
歴史的にも、政治的にもけっして良好な関係を保っているとはいえない中東の隣り合う国。この二つの国の中で、同じようにiPhoneと僕の作ったアプリをポケットにいれてジャンプして、喜んでいるひとがいる…
Jump & Peace
World 9のバージョンアップを望む声は、リリース直後から届いていたのですが、このランキングを見たときに自然に次の方向性が決まりました。
題して、“World 9 World” (http;//www.world9.org)。Audible Realitiesの新しいプロジェクトです。そして、このプロジェクトに対応したアップデート版、バージョン0.83の配布がAppStore上で昨日始まりました。
中身はいたってシンプル。iPhoneのCore Locationの仕組みを使って現在地を取得。それをサーバに送って、Google Map上にマップするというものです。
要するに、今、この地球上でWorld 9を手にジャンプしているハッピーな人たちをリアルタイムにマッピングしよう!
何はともあれサイトをご覧ください。プロジェクトに参加するには、iPhoneとWorld 9アプリが必要ですが、PCのブラウザからでも“World 9 World”マップ (http;//www.world9.org) をご覧いただけます。(例の音が出るので注意してください!)
World 9 ver0.83では、サーバに対して位置をポストする機能と、マップの表示機能、ジャンプ・カウンターが付け加わりました。もちろん、ポストされるデータは現在位置と飛んだ時間だけで、個人情報は送られません。また、位置を正確に特定されることを防ぐために、あえて粗い位置情報を使っています。おおまかに位置が分かればいいというわけです。ジャンプ・カウンターは、世界中の「ジャンプ」の総計を表示しています。
このマップは、iPhone用に整形したworld9.orgのウェブページを表示しているだけなのですが、ピンチイン/アウトやスクロールなどのインタラクションを可能にするために、WebViewの上に透明なコントロール用のViewを載せてます(ちょっとしたiPhoneアプリ開発のTips!!)。本家Mapsアプリのさくさく感には到底及びませんが、ある程度のコントロールは実現しました。地図の下には、ウェブページ同様に広告が表示されています。どのくらいの効果があるかはわかりませんが、この広告からの収益の一部は、もともとのコンセプトに沿って各種チャリティに募金します。募金の経過もworld9.org上で随時告知いたします。必ずしも、Google AdSenseを使うのが良いやり方だとは思っていません。スポンサーを募集しているので、ご興味があれば以下のメールアドレスまでお願いします。
サーバ周りとGoogle Mapの制御は、すべて永野くんの担当です (彼自身のWorld 9 Worldに関するポストもご覧ください)。リアルタイム(5秒遅れ)で地図上にジャンプを表示するための仕組みづくりに苦心してくれました。(余談ですが、今回のプロジェクトのために、一週間弱でRuby on RailsとAjaxをものにした彼の仕事の早さに、またまた驚嘆!!)ウェブのデザインは、実はまだほとんど手を付けていません。地図上のアイコンも含めて、近日中にもうちょっとオシャレでわかりやすいものにする予定ですので、ご了承ください。
World 9 World – とてもシンプルなプロジェクトですが、地図を見ているといくつか面白い現象に出会いました。まず一つ、ジャンプカウンターが万単位のキリのいい数字にちかくなると、急にジャンプが増えること。みなさん、キリ番を狙っているんでしょうか? 笑 また、大洋をはさんで競い合うようにジャンプする人たちなんてのも見られたりします。自然にコミュニケーションが生まれる様子を観察するのは非常に興味深いものがあります。
考えてみると、以前から僕がiPhoneアプリで追求したいと考えていた以下の二つのポイントを、図らずも!? 押さえていることに気づきました。
1. 言葉、文字に頼らないコミュニケーションの可能性を追求する
2. ユーザの無意識の行動から情報を抽出する
それぞれの項目は、すでに言及されてる方がいらっしゃるかと思います。この二つは相互に深く関係しているので、簡単に二分することはできませんが… それぞれ言いたいことは自明だと思います。
「ジャンプ」という単純明快な動作が、iPhoneというデバイスとネットワークで媒介することで、世界的なコミュニケーションのチャンネルに早変わりする、というダイナミクスにこそ、iPhoneの本質があると断言します。永野くんのポストでは、その辺を次のように書いてました。
… 非常に単純な仕組みですが,iPhoneを使うことで
現実 -> ゲーム世界 -> ネットという3つの次元をひとっ飛びです.
GPS,加速度センサー,3G,もちろんオーディオ再生,これら全ての機能を1台で持っているiPhoneだから出来たと思います…
もっというと… 「iPhoneは、文字入力が遅くて使い物にならない」なんてことを言う人は、iPhoneのことを全然分かってないということを吹聴してるようなもの。文字入力なんてどうでもいいんです (少なくとも本質じゃない)。テキストなんて、iPhoneが可能にする無数のコミュニケーション・メディアの一つにしかすぎないのだから。むしろ、iPhoneアプリの開発者は「文字入力させたら負けだと思う」くらいに思った方がいいでしょう。
と、煽るだけ煽りましたが… 最後の二点についてはもっと議論する必要がありますね。また改めて、自分たちが考えていることをまとめてみたいと思っています。
まずは、iPhoneにWorld 9(9の1)をインストールして、あなたもWorld 9 Worldの世界に参加してください!
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