「いつか音楽と呼ばれるもの」を考える #1

前回のポストの続き。

freq in Tokyoで一つ良かったのは、自分がパフォーマンスで使うソフトウェアを自分でつくる、そしたパフォーマとしての訓練をつむというスタンスが実践されている点である。えてして、ソフトウェアを作った時点で力つきてしまって、実際にそのソフトウェアをパフォーマンスで使いこなす、その操作に通暁する/熟達するところまで到達しない場合が多い (これは自戒もこめて)。楽器を弾くかのようにCubieを使いこなす藤岡さんの姿に、見に行った三人(SWO城、Monalisa永野、で僕)は一様にうなってしまった。

というところから今回の座談会が始まる

新しい音楽の「かたち」を、ソフトウェア開発者、研究者、サウンドアーティスト、DJなど、さまざまな立場から考え続けているこの三人が集まると、自然に会話の流れが「音楽とは?」「創造性とは?」といった方向に流れていく。ミッドタウン近くのカフェで話し始めた三人の会話をなんとなく録音してみた。

[audio:itsuka_podcast_01.mp3]
Download: [download#4]

そのときの思いつきでふと話したことがあとから聞き直してみると意外と面白かったりする、また録音しながら話すことで自分の考えを整理して話そうという意思が働き、頭の整理にも役に立つことが今回よくわかった。

この未知の新しい音楽のあり方を「いつか音楽と呼ばれるもの」(永野氏の言葉)ととりあえず仮定し、「いつか~」についての議論を深めていく場として、このようなpodcast的手法を利用していくことに思い至った。アーティストの紹介や楽曲の視聴などを目的として配信するsync podcastとは異なり、録音された三人の議論はたんなる出発点でしかない。録音して、公開した議論をもとに、三者三様にblogなどでさらなる議論や思索を積み重ねていくことが目的となる。

なにぶんにも内輪的なネタも多く、前提となるコンテクストを共有していない方にはお聞き苦しい部分も多々あるのは重々承知している。なるべく補足のための参考文献やサイトへのリンクも提供していきたいとも思っている。このblogの読者のみなさんがご自身で「いつか音楽と呼ばれるもの」を考える際に、何らかの手がかりになれば幸いである。

UPDATE 07.12.19
永野氏が自身のblogで注釈をつけてくれています。


参加者紹介

Sany0284
(左: 城 右: 永野)

城 一裕
1977年生まれ.2002年九州芸術工科大学大学院(現九州大学)修了.(株)日本アイ・ ビー・エム ソフトウェア開発研究所,東京大学大学院博士課程を経て,現在東京大学先端科学技術研究センター 協力研究員.主なプロジェクトとして, The SINE WAVE ORCHESTRA, Monalisa, aeo, DorkbotTokyo など.第一回 f r e q「プログラムが表現する音と映像」実行委員.

永野 哲久
2001年,サラリーマンを突然辞めて退職金でPowerBookG4 400を購入,Max/MSPに傾倒.実家で引き篭もり中に偶然参加したfreq01で徳井直生氏・城一裕氏と出会う.徳井氏がCode WarriorでMax/MSPのObjectを開発する姿に衝撃を受け,Programmingを開始.Programmerとしての最初のキャリアは徳井氏のSONASPHEREへほんの少し参加.
2004年最初のOSX ApplicationであるMonalisaを開発.城一裕氏の協力を得,未踏ソフトウェアに採択される.
現在,情報科学芸術大学院大学(IAMAS)所属.

1 Comment

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nao
December 17, 2007 at 9:48 pm

永野氏のblog上でのポスト

同じ議論の録音をネタにそれぞれコメントし合う形がはやくも生まれるか。

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