出会い#2 2007年

出会いと言えば、今年もいろいろなCDや本に出会った。

音楽で言えば、今年一番聞いたのは、New Zealandのダブバンド Fat Freddy’s Dropかな。iTunesの再生回数でも他を圧倒して一位になっている。南国風の暖かみがどことなくあって、かつイギリスの影響も感じるいわゆるウェリントンサウンドの代表的なバンド。ここ最近で偶然みつけたのが、イギリスのプロデューサ Ishfaq。彼のリミックスワークを彼のサイトでぜひ聞いてもらいたい。ほとんどが無許可のリミックスワークのようだが、どれもクオリティがやたら高い!

今年は思い入れのある本との出会いも多かった。ちょうど昨日読み終わったのが、ウェブ進化論で著名な梅田望夫さんと芥川賞作家平野啓一郎さんの対談をまとめた、“ウェブ人間論 (新潮新書)” 。情報科学とITビジネス(?)に関わる人間のはしくれとして梅田さんが気になる存在であるのは当然として、平野さんも同世代の代表として以前から注目してい。この二人がウェブ/インターネットによって人類とその文化がどう変化/進化して行くのか(ウェブ・人間論)、あるいはウェブによって生まれた新人類の生態(ウェブ人間・論)について、意見をぶつけ合っている。梅田さんのネットと人間に対するオプティミスティックな姿勢と平野さんのプレ・ネット時代の知のあり方に対する郷愁とそれが失われて行くことに対する危惧、どちらにもシンパシーを覚えた。平野さんとは同世代、梅田さんとは(ちょっと遠いかもしれないが)同じ分野に関わる人間、として二人の対談を通して、自分が無意識のうちに内面化している二つのパラダイムに意識的になれた。面白い対談なので機会があればぜひ読んでいただきたい。たまたま本屋で手に取った本だったのだが、これも一つの出会いだった。


詳しく書くとそれだけで一つの記事になるので、この辺にしておくが、この本の中で一番記憶に残ったのが、blogをめぐるご自身の体験を梅田さんが語っている部分。当初は、ほとんどのblogger同様、自分の意見を公開しネット上の読者がそれを読むという、従来のマスメディア的な一方向の情報の流れを想定していたそうだ。しかし、実際にはトラックバックやコメントを通して読者とのインタラクションが生まれ、双方向のやりとりのなかで自分の考えがより強固で多面的に構成されて行くのを実感したという。さらにはそうした体験を踏まえて、自分の考え方、自分自身の成長の記録のプラットフォームとしてblogをとらえることを推奨されている。

僕自身、正直に書くと、このblogの位置づけに常に迷いを感じてきた。あまり踏み込んだ議論を書きすぎると、僕の音楽が好きでblogを見に来てくれている人が離れて行くのでは(いるのかな?)、とか、せっかくのblogが単なる告知とイベントのレビューに終始していいのか… 常に悩んできたのだが、この部分を読んで、(今更ながら)すごく腑に落ちるものを感じた。読者を気にせず、かといって独りよがりにはならないようなバランスをとること。そして当初、このblogを「かつて音楽と呼ばれたもの」とつけたときの、意気込みを忘れずに、かつ批判を恐れずに自分の考えの軌跡をここに綴って行きたいと思う。

それも、二日に一回は確実に更新して行きたいな。「自分の目標を周知させることで自分を追い込む」というのは、自己啓発本などによく書いてあるクラシックな方法。いままでの更新ペースを考えると、ほんとに可能なの?と言われるかもしれないが、今まで地味に調べてきたり考えてきたりしていて、ノートに書いていたことをblogにあげるだけなので、なんとかなるでしょう。告知は告知でつづけていきます!文体がTPOにあわせて変化するので読みにくいかもしれませんが、その点だけはご勘弁ください。

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