MITメディアラボ 訪問 – 25周年記念シンポジウム

仕事の関係で MITメディアラボにまたまた行ってきました。貴重な知見や刺激をいろいろもらって帰国したところです。

MITでは、サバティカルで滞在されている田中浩也さん(慶応SFC准教授で国際メディア財団の元同僚)ともお会いすることができました。研究室を視察したり、田中さんと会話する中で強く感じたのは、MITメディアラボ全体の思考が「ビットからアトムへ」という傾向にあることです (田中さんには西海岸に行くことをしきりに勧められました 笑)。

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ボストンの夜景
今回はメディアラボ創設25周年の記念のシンポジウムも併催され、貴重な講演を聴く機会にめぐまれました。人工知能の父、Marvin Minsky氏の講演などに加えて、GoogleのCEO、Eric Shmidt氏のインタビュー・セッションがありました。彼のインタビューの中で非常に興味深かったのは、彼自身がPhysicalな(紙媒体としての)新聞や本を読んでいることを何度か強調していた点と、「We’ve been working for making people use computers less frequently」(われわれは人々がコンピュータを使う回数を減らすために働いている)という旨の発言をしていたことです。

2009年のペンシルバニア大学の卒業式でも下のような発言をしています。

Turn off your computer. You’re actually going to have to turn off your phone and discover all that is human around us…..
Nothing beats holding the hand of your grandchild as he walks his first steps.

ネット社会を象徴する企業のトップの発言としては意外な感じがしますが、だからこそ考えさせられます。人々がネット漬けになっている現状に対するある種の社会的責任感からくる発言なのか、はたまたすでにありあまる大金を稼いで悠々自適な生活が保障されている身だからこそできる余裕の発言なのか…

たまたま、旅行中に読んでいた以下の二つの本とも呼応する部分が多く、心に残りました。ネットとのつきあい方、コンピュータとのつきあい方、バランスといった点に関連して、何かしら世間に一石を投じる作品なりシステムを作ることが現在の私のそしてQosmoの目標となりつつあります。

  

“The Shallows: What the Internet Is Doing to Our Brains” (Nicholas Carr)

最新の脳科学の知見なども含めた幅広い研究結果をベースに、コンピュータ/ネットによる情報へのインスタントなアクセスに慣れることが、人間の脳にどのような影響を与えるのかをまとめた警告書.


“Hamlet’s BlackBerry: A Practical Philosophy for Building a Good Life in the Digital Age” (William Powers)

書き言葉に対するソクラテスの反応、グーテンベルグの印刷技術とシェークスピアなど、過去のメディア技術の発明とそれらに対する当時の人々の対応から、現在われわれが抱える問題 ー ネットがもたらす「情報過多」とどう向き合っていけば良いのかを探る一冊。過去の歴史の考察だけでも面白いです。歴史は繰り返す。

今回オフの日にBrooklynの古着屋で買ったTシャツもそう言ってます!!!

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おまけ: ATMと弊社澤井
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NY市の留置所の廊下に浮かぶ人影. 澤井君がATMを壊して留置所入りしたわけではありません (笑)

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