[books] Golden Krishna「さよなら、インタフェース」

Golden Krishna「さよなら、インタフェース」読了。本屋に並んでいるのを見て即購入。たまたま僕は2013年のSXSWで著者の講演を見ている。The Best Interface is No Interfaceと題した彼の講演を聞きながら、そうそう!と膝を打ったのと、サムスンやるなぁ1と思ったのをはっきり覚えている。

本の中身はというと。。。時節柄、この例えがわかりやすい。

いまから数十年後のハロウィーン。僕らの孫くらいの世代の子供が、スマホくらいの大きさの四角い箱をじっとにらんで… 「見て見て、おじいちゃんのまね! こんなスクリーンをじっとみてるの!(笑」 と言われるようになるんじゃないか、もとい、いわれるようになるべき!

つまり、今の僕らの日常生活が、小さくて四角いスクリーンに支配されすぎているのでは、という問題提起。スマホという万能なマシンが手近に常にあるからといって、アプリにいろんなことをやらせようとしすぎなのではないか?

本の中でも挙げられている、車のドアのカギをあけられるアプリなどがいい例。車のドアを開けるために、
1. スマホをポケットから出して、
2. ロックを解除、
3. 立ち上がってるアプリを閉じて、
4. おめあてのアプリをホームスクリーンで探し出して開いて、、、
一体何ステップあるんだろ。わざわざアプリでやる必要があったんだっけ? こんなことやるよりも、キーレスエントリー用のキーを持っていれば自然にドアを開ける動作をしたときにドアが開くって方がよっぽどシンプルでいい。

ユーザの明示的な入力を待って動作する事後対処型(リアクティブ)な解決法はさっさと捨てて、使う人の意図を先読みして「よきにはからってくれる」事前対処型(プロアクティブ)にできないか、アプリを作る前によく考えましょう! だって、いちいちポケットから出して操作しないといけないなんてぜんぜんスマートじゃないよね、という本でした。

要はGoogle Nowなどがやろうとしてること(意外なことにGoogle Nowへの言及がなかった気がする)。No UIを実現している例が、2013年の講演当時からそんなに変わっていないまだまだ取り組みが足りないのかな。

プロアクティブなシステムを実現するには、機械学習などのセンサー・データの活用が欠かせなくなってくる(本の中では明示的なユーザの操作による”ユーザ入力(インプット)”に対して、”マシンインプット”という呼び方をしている)。データサイエンティストなる人種が増えている中で、UI・UXのような感覚的な世界とデータの世界の橋渡しをする人材が今後必要になりそう。

今後、こんな求人広告が出てきたりして…

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あえてぶっきらぼうで斜に構えたような(時としてかなり乱暴な)語り口をとっているのが、山形浩生さんのよう(武舎さんの翻訳によるところが大きいとは思いますが… 原文はどんな感じなんだろ?)わりと厚い割にさらっと読める本です。おすすめ!


  1. (著者は当時サムスンのデザイナー.スマホメーカーのデザイナーなのにスクリーンを否定している!)