「来週月曜日にシリコンバレーに来れる?」 – スタートアップに挑戦中! at 500 startups

2013 BLOG

GWの最終日の早朝. Lineでメキシコから届いたメッセージ.

「来週月曜日にシリコンバレーに飛べる?

すでにFacebookやTwitterなどでは書いてますが、今、シリコンバレーに来てます! Googleのお膝元でもあるマウンテンビューに滞在しながら、500 startupsというインキュベータ/アクセラレータのプロジェクトに参加してます. アメリカで会社の登記をすませ、最初のプロダクトとなるメッセージング・アプリ “unda” のローンチにむけて目下取り組んでいます. (ようやく、アプリのランディングページができました. http://unda.me/ ぜひニュースレターに登録してください! )

Screen Shot 2013-05-26 at 2.59.46 PM.png

これがundaチームです. 中央がCEOのオスカー. このプロジェクトを立ち上げるきっかけになった男です. これが彼にとって7つ目の会社だそうです. 左がLulo. 現在、23歳. ロック好きの若くて元気のあるデザイナー. もともとはクラウドソーシングでバンドのライブを誘致するBandasticというスタートアップをつい最近までやってました. 二人ともメキシコシティーに拠点を置く、メキシコ人です. そして実装担当が僕です.

DSC00880.JPG

なぜメキシコ人と? というのは後で説明するとして… このプロジェクトは昨年11月にオスカーからもらったSkypeコールから始まりました. 彼のシンプルなアイデアをもとに仕事の合間に少しずつプロトタイプを作り、12月にはそれをもってメキシコシティーに飛びました. 2週間の滞在の間にコンセプトについて話し合ったり、開発やデザインを進めることができました. 今年2月には今度はオスカーが来日、3月には一緒にオースティンのSXSWに出かけ(そのときの様子)、4月には僕が再度メキシコシティーに飛ぶ… こうして少しずつ開発を進めていたものがだいぶ形になって来たのが4月の月末でした.

5月のその日、メキシコでは代表のDave McClure氏を招いての500 startupsのイベントが開催されていました. その場で500 startupsの面々にオスカーがアプリのプロトタイプを見せたところ、言われたのが冒頭のメッセージだったそうです.

「来週月曜日にシリコンバレーに来れるか?」

500 startupsやY combinatorのようなアクセラレータの仕組みをご存じない方に簡単に説明します (僕も恥ずかしながら全く理解してませんでした. 渡米の前にY combinatorを密着取材したこの本を読みました.)

アクセラレータは、3ヶ月程度の期間、数十のスタートアップが集まった(バッチ)Batchとよばれる組を単位に進行します(学校の学期とクラスを想像するとわかりやすいです). バッチ内のスタートアップは、3ヶ月ほどの間、小額の投資を受け、プロダクトの開発に専念できます.その間、オフィススペースだったり(共有オフィスがあるタイプのものはインキューベータと呼ぶ)、メンター(すでにスタートアップで成功した人たち)からのアドバイスなどのリソースに自由にアクセスできます. 学期の最後は、全米から有力な投資家を招いてのデモデー(Demo day)です. その場でそれぞれのプロダクトをプレゼンし、有望と認められたスタートアップにはその場で小切手が切られる…. ?! というシナリオです. 今回のバッチは7月末にサンフランシスコとNYでのデモデーが予定されています.

5月の時点で2013年の夏のバッチ(Batch 6)はすでにスタートしてから1ヶ月近くが経っていたのですが、ちょうど空きがあったために僕たちがその空きを埋める形で急遽参加することになりました (変則的な参加になったためにこのビデオにも参加することができなかったのは残念です:-) ).

DSC00033.JPG

DSC00034.JPG

メッセージをもらってから一週間ほどで東京の仕事にめどを付け(多くの方にご迷惑をかけてしまってすいません!) 、10日後にはここマウンテンビューにいました. 今はチームの面々とホテルの一室に寝泊まりしながら開発を続けています. インターナショナルなバッチのメンバー(ブラジル、ウクライナ、インド、ヨルダン、スロベニア、台湾…)との会話に刺激を受けつつ過ごす日々は、すでに貴重な経験になりつつあります. そうした話はまた改めて書くとして…

そもそも、なぜメキシコ人のオスカーとこのプロジェクトを始めることになったのかを書いておきたいと思います。オスカーとの出会いは2年前にさかのぼります。Qosmoをいっしょにやっている澤井がバルセロナのホテルの部屋(!)でラップトップを盗まれたときに、警察にいっしょに行ったり、いろいろと世話を焼いてくれたのがオスカーでした(彼のスペイン語が大きな助けになったそうです). その後、日本に遊びに来たオスカーに僕も会うことになります。彼の日本滞在最終日に会ったのですが、その日はちょうどNujabes(2010年に亡くなったHipHopのプロデューサで僕が昔いっしょに曲を作っていた友人です) の二周忌のイベントの日でした. イベントに行かないと行けないので時間があまりない…と話したところ、なんとオスカーがNujabesの大ファンだったと判明. そのままいっしょにクラブに出かけ、朝まで過ごし、すっかり意気投合しました. 元々オスカーを澤井に紹介したのが、友人であり、尊敬してやまない日本一とんがった会社ライゾマティクスの面々 (齊藤さん、真鍋くん)たちだったことを考えると、人のつながりの面白さ、深い縁を感じます.

その2週間後に今度はいっしょにオースティンのSXSWに出かけ、10日間一緒にさまざまなイベントに参加しました. そのときの様子は以前、このブログでも書いた通りです. SXSWでの経験が「今度はふたりでなにか新しいサービスをやろうよ!」となるのは自然な流れでした. その後、お互いに自分の会社の仕事に忙殺されなかなか手を付けられなかったのですが、昨年の11月にオスカーからSkypeコールを受け…. 後は上記の通りです.

この後、どうなるかわかりませんが、せっかくこうして得られたチャンス、しっかり活かすつもりで、精一杯チャレンジしようと思います. こちらでの普段の仕事っぷりやシリコンバレーで学んだことなど、少しずつブログに書いていけたらと思ってます.

最後に、僕のわがままを聞き入れて、快く送り出してくれた澤井君をはじめ、Qosmoの面々に感謝します. 貴重な体験をしっかり持って帰ります!