宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」
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ずっと前に昔のblog上でちょっとしたレビューを書いた「セロ弾きのゴーシュの音楽論」について.
このエントリーに,いつの間にかついていたトラックバックをたどると,「セロ弾きのゴーシュ」の中に登場する楽曲をリストアップして解説したページに行き着きました.
この中で驚きだったのが,「印度の虎狩」という曲が実際に存在したこと.Comedy Fox Trotというグループ?の「Hunting Tigers Out in India」という曲がそれで,1920年〜30年代にビクターから発売されていたそうです.残念ながらその原曲を見つけることはできませんでしたが,そのカバーを見つけることができました. Bonzo Dog band の Hunting Tigersという曲です.
イメージとぜんぜん違いますよね. かなりコミカルな印象ですが,先のページによると原曲もどちらかというとお気楽な感じの曲だそうです.この曲をゴーシュがどう演奏したのか… 想像が膨らみます.
“〈セロ弾きのゴーシュ〉の音楽論―音楽近代主義を超えて” (梅津 時比古)
Technorati Tags: Music
以前のレビュー….
最近、読んだ本「セロ弾きのゴーシュの音楽論」がおもしろかったので、ちょっと感想を。
みなさん、ご存じの宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」を題材に、音楽における楽器と演奏者の身体性、テクニックと音楽表現等の問題を考察しています。ゴーシュがフランス語で左->不器用を意味すること、セロ(チェロ)が左手側に高音部が来る数少ない楽器であることなどを踏まえ、筆者は右手-技能中心的な近代合理主義への批判としてこの作品をとらえています。ベートーベンの第六交響曲「田園」に登場するカッコウをモチーフにした旋律が、現代の平均的な調律ではきれいに響かないという事実と、ゴーシュとカッコウのやり取り(「….. ふっと何だかこれは鳥の方がほんたうのドレミァにはまってゐるかなといふ気がしてきました。どうも弾くほど弾くほどかくこうの方がいいやうな気がするのでした。」)を比較した部分が特に秀逸。
内容はそれほど易しいものではないのですが、語り口が簡潔で抵抗なく読み進められました。
多くの個性的な擬態語を作り出したことでもよく知られる宮沢賢治。彼の耳にはどんな音を聞こえていたのでしょうか?
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