アーティストトーク @ 芸大
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4月から担当している東京芸大のサウンドプログラミングの授業に,友人でアーティストのAOKI takamasa氏と澤井妙治氏にお越しいただきました.それぞれに,Max/MSPとの出会い,Max/MSPを自分の制作にどう使っているかといったトピックを中心に,作品制作時に心がけていることなどをお話てもらったんですが,二人の特徴がはっきり出た良いセッションになりました.
右 AOKI takamasa 左 澤井妙治
まずはAOKI君.友人が見ていた海外の音楽雑誌でRealtime Synthesis!!というMax/MSPに関する記事をたまたま見つけ,即楽器屋で購入.といっても当時は,楽器屋のお兄さんも「Maxって何?」といった感じだったらしく,楽器屋さんで取り寄せてもらうまでがまず一苦労だったとか.その後,「テレホーダイ」(懐かしい!)を駆使して海外の情報サイトを廻って情報を収集し,2年半かけてシーケンサー + サンプラーのライブ用のパッチを構築したそうです(上の写真)
一方澤井君もMax/MSPを使うためにMacをはじめて買ったという強者で,最初はコンピュータの使い方から勉強しなければならなかったために大変だったそうです. 3ヶ月間山にこもってほとんど誰にも会わずに一気に覚えたというのは,なんとなく澤井君らしいエピソードですよね.
現在のMaxの使い方に関しては,
“他の音楽ソフトでできることをMaxでやっても仕方がない.なぜMaxを使うのかというアイデアが一番大切” (青木)
“Maxだけで閉じようとせずに,他のソフトとのインタフェースとして使うことも考えよう”(澤井)
実際に澤井君は,SuperColliderで作ったシンセをMaxでコントロールする例を紹介してくれました.また,“製品のプロトタイプを作る際にもMaxは非常に有用”という澤井君.FlashなどのWebのインタフェースのモックアップ制作にMaxをつかっているそうです.
僕たちがMaxを使い始めたころにはMaxでしかできなかったこと(グラニュラーとかシーケンスのランダマイズ的なもの)が,すでに一般的なソフトウェアで簡単にしかも高クオリティで実現できるようになっているのは確かだと思います.それゆえ,なぜMaxを学ぶのかという目標,あるいはアイデアが今まで以上に重要になっていることは間違いありません.それが,製品やインタラクティブなシステムのモックアップを作るためなのか,それともさらに高度な/ニッチな音楽制作上のテクニックを志向するのか,そこは人それぞれでしょう.いずれにしても,“Maxには正しい使い方なんてものはない.試行錯誤を通して自分なりの使い方を学んで行ってほしい”(青木).こんなメッセージが学生さんたちに伝わっていれば,僕としても満足です.忙しいときに来てくれた,二人に大感謝.
(こういういろいろなMaxの可能性をみんなで探ろうという目的の元で Tokyo Max Users Groupをやってるわけなんです!)
普段パリにいるAOKIくんとは,当然,なかなか会えないんですが,会うたびに彼のポジティブな姿勢と他人への思いやり,音楽への熱い思いに動かされます.「俺,これしかできひんねん」と笑いつつ,さらっとすごい音楽をつくるAOKIくん.いつもいいバイブス(ほかにいい言葉が無いので)をもらってます. ありがとう!! Podcastもやらんとね :-)
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