[番外編] 2006年に読んだ本 #2
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2006年に読んだ本#1に引き続き、2006年に読んだ本。地球史と進化を中心に。
前回、紹介した“眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く” の前奏曲とでも言うべき本。眼の誕生では、カンブリア紀を呼ばれる時代に複雑な多細胞生物が急速に進化した理由を、目という器官の進化的な誕生に求め、大胆な仮説を提唱している。しかし、地球史の中では一瞬にも等しい「その特定の時期」になぜ眼が生まれたのかという点に関しては、明確な理由を示すまでには至っていない。この疑問に一つの解を与えるのが、「スノーボール・アース」である。
スノーボール(雪玉)という言葉が示すように、地球全体(極から赤道まで)が分厚い氷の層に覆われていた時期がこれまでに数回あるという信じられないような説が、本書の主題である。我々が教えられたいわゆる「氷河期」とはスケールの点で大きく異なる点に注目したい。緑と水の惑星・地球という根本的な理解が揺らぐのを感じた。さらに近い将来(といっても数千万年後の話しだが)、再度、地球が氷の惑星へと一時的に変貌する可能性も示唆されている。
この全地球凍結が最後におこったのが、カンブリア紀の直前にあたる5億9千万年前であるとされる。それがどうカンブリア紀の爆発につながるのか…. 興味をお持ちになった方には、スノーボール・アース、眼の誕生と順に読み進めるのをお勧めする。明示的には全地球凍結と眼の誕生の関係は示されていないが、一つにつながる地球と生命のまさに壮大なストーリーを感じ取れるはず。本書は、全地球凍結説の提唱者とそれに強く反対するグループ、双方がたどった足跡を丁寧に追い、登場する科学者を非常に個性的に描いている。一見地味な地質学がこんなに面白いものかと驚かされた。
今度はもっと身近な自分たち自身の体について。学校の理科で教わったので、人間の体の構造はなんとなく知っている。では、どうして今のような構造になったのかと考えたことはあるだろうか?
人間の心臓が(普通は)左にあることは誰でも知っている。では、なぜ真ん中ではなくて偏った場所にあるのか。
こうした疑問に進化の観点から答えてくれる一冊。
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