N Building.app – iPhone meets Architecture

2010 BLOG EVENT MEDIA

nbuilding2.jpg  QRN_0133.JPG  Photo: Omori Yuki

English follows

昨年末にQosmoとして参加したプロジェクトのご報告です。

発端は弊社に加わったばかりのAlexでした。友人の建築家・寺田尚樹さん(teradadesign)が、モバイルメディアの利点を生かした新しいタイプの建築を考えているばかりか、実際にビルを建てたという話を聞き込んできたところから、プロジェクトがスタートしました。

– teradadesign
立川駅近くの商店街に位置するテナントビル -通称 Nビル- の計画です。テナントビルの場合、看板や宣伝がファサードを占拠してしまい、建物自体の個性やアイデンティティーを表現することが設計では難しいと思いました。そこでQRコードのパターンをそのままファサードにし、看板と置換えることを考えました。このQRコードをきっかけに携帯サイト上で店舗情報などを随時更新していくことによって、従来の看板とは違った質の情報の発信を行う事を目的としました。

nbuilding1_.jpg  Photo: Omori Yuki

これが実際のビルの写真です。QRコードが実用的な意味を持つだけでなく、審美的にも印象的なファーサードに仕上がっています。このビルが完成したことを受けて、寺田さんと平手さん(teradadesign)、そしてQosmoで考えました。次はなんだろう…と。

今、日本で使われているケータイのほとんどでQRコードが読める、だからこそビルのファサードにはQRコードを埋め込んだわけですが、これがちょっと未来のケータイだったとしたらどうでしょうか? 静的なQRコードに対して、よりダイナミックな表現が可能なiPhoneのようなデバイスを用いることで、どんな表現が考えられるでしょうか?

両者の間でブレストを重ね、建築物と情報、都市とメディアの可能性を探る実験として実装したのが、次に紹介する「Nビル iPhoneアプリ」です。2009年12月15日。ビルのオープニングにあわせて、このPhoneアプリのお披露目を行いました。そのときの模様が下のビデオです。

私たちが提案する一つの未来像、それはデバイスを通して建物を眺めることで、建物の中の情報や人々の活動の様子をより直接的/直感的に眺めることができるというものです。建物の中の人々は仮想的なキャラクターとして表現されています (シミュレーション・ゲームのようなイメージです)。また、お店の情報をブラウズして予約を入れたり、クーポンをダウンロードすることも可能です。バーチャル(iPhone)が物理的な存在(Nビル)をエンハンスするかたちで、建物に関する情報を提示する新しい手法を模索しました。

Nビル iPhoneアプリは、建物の形状をリアルタイムに認識し(ビデオをご参照ください)、カメラのライブ映像の上にキャラクターをオーバーレイすることで、あたかも建物内部が透けて見えているかのようなグラフィックを実現しています。ファサードに組み込まれたQRコードは、ユーザーがカメラを建物に向ける動機付けとして重要な役割を果たしている点は見逃せませんが、弊社の独自の技術を用いることでマーカーを持たない建築物に対しても同様な仕組みを実装することができます。また、Nビルとその周辺でリアルタイムに生まれるネット上の情報を、キャラクターの吹き出しというかたちで表示します(Twitterのロケーション情報やハッシュタグを用いています)。さらに今回はクリスマス直前だったということで、ちょっとしたサプライズも用意しておきました(ビデオ参照)。

実際のところ、このiPhoneアプリの実運用を考えるためには解決しなければならない問題点は山積しています (本アプリのApp Store上での一般公開の予定はいまのところありませんが、ご興味のある方にのみに配布しています)。まだ実験段階にすぎないかもしれません。それでも、建築とモバイルメディアの関係を想像/創造する上で、そして、「既存のメディアをQonnectして、新しいメディア表現をQreatesしよう」という弊社 Qosmoにとって、意義深くかつ楽しい実験だったと言えるでしょう。

今回のシステムに関するお問い合わせは こちらまで email.png

N-Building.app for iPhone (rough cut)

Project by teradadesign + Qosmo.
Music by Airtone.

Here is our latest project, in which we as Qosmo.inc tried to “augment” additional information upon a physical artifact, namely a building, with new digital media technology empowered by iPhone.

N Building is a commercial structure located near Tachikawa station amidst a shopping district. Being a commercial building signs or billboards are typically attached to its facade which we feel undermines the structures’ identity. As a solution we thought to use a QR Code (two-dimensional bar code) as the facade itself. By reading the QR Code with your mobile device you will be taken to a site which includes up to date shop information. In this manner we envision a cityscape unhindered by ubiquitous signage and also an improvement to the quality and accuracy of the information itself.

December 15th, 2009 we held an opening which included the limited release of an iPhone application made specifically for N Building.

If a QR Code is static, what could we do with a dynamic device like the iPhone? Our proposed vision of the future is one where the facade of the building disappears, showing those inside who want to be seen. As you press on the characters their comments made on online appear in speech bubbles. You can also browse shop information, make reservations and download coupons. Rather than broadly tagging, we display information specific to the building in a manner in which the virtual (iPhone) serves to enhance the physical (N Building). Our goal is to provide an incentive to visit the space and a virtual connection to space without necessarily being present.

The building is detected in real time by its shape (for an example, see video). Characters are then superimposed over the live video. Twitter feed comments are located via GPS tagging. Store information, reservations and other infrastructure is part of the iPhone application. The iPhone application is not for sale in the iTunes App Store, but is available to interested parties on request. While N Building’s QR code provides a subtle yet important queue to users to take out and use their mobile devices, Qosmo, Inc. is available to implement a similar system for structures without QR Codes or any markers.

If you are interested in this project, please feel free to contact us: email.png