Phonethica Desktopについて

2007 BLOG

Phonethica Desktopについて。www.phonethica.netに投稿した文を転記。

先日リリースした、Phonethica Desktop v0.5bですが、60MB強とサイズが大きいにも関わらず、多くの方におつかいいただいているようでうれしい限りです。Phonethicaのコンセプトが前よりもよくわかるようになった、言語の面白さに改めて気づいた!といううれしいご意見もいただきました。

一方で、「単語AとBはすごく似てると思うんだけど、なんでつながってないの」とか「リンクを足すことはできないのですか?」という質問もいただきました。じつは、まさにそこが僕たちの悩みであり、現在、Web版を作っている最大の理由でもあります。

今回のソフトウェアで表示される単語のつながりは、各単語の発音記号列の類似性を機械的に計算したもので、個々人の聞こえ方の差異は全く反映されていません。本来、言語の聞こえ方はその人の母国語の特徴などに大きく左右されるもので、単純に「AとBは似ている」と言い切れるものではないはずです。ネットワーク的な表示は、単語のつながりがわかりやすく提示できるという利点がある一方で、つながりがある単語とない単語を二元論的にわけるような印象を与えてしまうという問題点があります。

こうした問題点を解消するために現在取り組んでいるのが、WebサイトとしてのPhonethicaです。自分が知っている似ている言葉を自由に投稿できるようにすると同時に他人が投稿した「つながり」に投票することも可能になります。その中で、例えば、日本人にとっては同じに聞こえるLとRの音が、欧米人には全く違って聞こえるといった言語圏による感じ方の違いなども明白になってくるはずです。

ということで、こうした問題点もあるということをご了承の上で楽しんでいただければと思います。Desktopを使っていて、なんでこの単語がないんだ!ということがあれば、ぜひメモをとっておいてください。そしてWebサービスが稼働した暁に、投稿していただければと思います。